https://news.yahoo.co.jp/articles/c12e078fff7579c8bc6bff1d2e58f3349f408aea
なるほど違うかも。
5児の父として、子育てに関する内容をSNSなどで積極的に発信する、お笑いコンビTIMのレッド吉田さん。自身も野球経験者であるレッドさんは、末っ子の「プロ野球選手になりたい」という夢を共に目指す中で、指導法や親としての立場をアップデートすることの必要性を感じているという。昭和の当たり前が変化している令和の子育てについて思うことを聞いた。(聞き手:荻上チキ/TBSラジオ/Yahoo!ニュース Voice)
自分の指導法に周囲が引いてしまったことを機に、自身をアップデート

「人としてロクでもなかったけど、子育てを通して成長できた」と語るレッド吉田さん
――レッドさんは芸人として活動するかたわら、子どもたちに野球の指導もされています。ご自身が学生時代に野球に打ち込んでいた頃と、今の子どもたちへの指導法で違いを感じることはありますか?
レッド吉田: 自分が野球をやっていた頃はシゴキなんて当たり前の時代でした。僕の根っこの部分にはまだその感覚が残っていますが、今は絶対にやってはいけないじゃないですか。僕は学童のコーチもやっていて、子どもたちが時間を有効に使っていなかったりすると、つい強く言ってしまうこともあるんですが、最近は柔らかく言うように気をつけていますね。
――気をつけるようになったきっかけなどがあったのでしょうか。
レッド吉田: 僕が愛だと思って言っていることが、周りから見たら愛ではなかったんですよね。これまでの私のやり方だと、周りが引いてしまうことがあって「これはヤバい。変わらなきゃいけない」と思うようになりました。 ただ、僕にもプライドがあるから、最初は素直に認めることができなかった。でも「これじゃダメだ。自分の考えが古いことを認めて、変わらなきゃいけない」と思って、少しずつ変え始めました。とはいっても、根っこの部分にはこれまでに培われたものがあるから、とっさに出てしまうこともあるんですが、抑えようとはしていますね。僕と同じ50代後半くらいの世代の人たちは、絶対に変えていかなければならない部分だと思います。 例えば、子どもが野球をせずに砂遊びをしていたら「おい! なにやってるんだ」って言いたくなるじゃないですか。「野球をしに来ているのに、野球をしないなら帰る?」と言うことを、親も容認してくれていたと思います。ただ、親交のある監督にアドバイスを求めたところ「子どもが野球よりも砂遊びを楽しいと感じているのは指導者に問題がある」と言うわけです。「砂遊びよりも野球の方が楽しそうと思わせるような野球をしなきゃいけない」と言われました。「興味を持たせるような楽しい野球を見せてやらないとダメなんだよ」と言われて、「うわ~」と思いましたね。
――レッドさんのように気づいて指導法を変える人もいる一方で、なかなか変えられない人も少なくないですよね。
レッド吉田: 僕は子どもが5人いて、一番上の子の代の親御さんと一番下の子の代の親御さんの年齢は全然違うので、考え方も異なります。僕はそこまで確固たる信念を持っているタイプではなかったので、親御さんたちと接する中で、自分の考え方が古いことに気がついたり、若い人の声を聞いて「もしかしたらあっちが合っているのかな」と考え直したりすることがありました。若い人たちの感覚を吸収することで考え方をアップデートできていたんじゃないかなと思います。 ただ、年齢を重ねるほど頑固になって、自分の経験値が絶対に正しいと思ってしまいがちですよね。確かに失敗した経験によって成功が導き出されることもわかるのですが、それぞれやり方があるので柔軟に受け止める必要があると思います。自分としての確固たる軸がある人にとっては、結構難しいことではあると思うんですけどね。
――レッドさんは芸人として活動するかたわら、子どもたちに野球の指導もされています。ご自身が学生時代に野球に打ち込んでいた頃と、今の子どもたちへの指導法で違いを感じることはありますか?
レッド吉田: 自分が野球をやっていた頃はシゴキなんて当たり前の時代でした。僕の根っこの部分にはまだその感覚が残っていますが、今は絶対にやってはいけないじゃないですか。僕は学童のコーチもやっていて、子どもたちが時間を有効に使っていなかったりすると、つい強く言ってしまうこともあるんですが、最近は柔らかく言うように気をつけていますね。
――気をつけるようになったきっかけなどがあったのでしょうか。
レッド吉田: 僕が愛だと思って言っていることが、周りから見たら愛ではなかったんですよね。これまでの私のやり方だと、周りが引いてしまうことがあって「これはヤバい。変わらなきゃいけない」と思うようになりました。 ただ、僕にもプライドがあるから、最初は素直に認めることができなかった。でも「これじゃダメだ。自分の考えが古いことを認めて、変わらなきゃいけない」と思って、少しずつ変え始めました。とはいっても、根っこの部分にはこれまでに培われたものがあるから、とっさに出てしまうこともあるんですが、抑えようとはしていますね。僕と同じ50代後半くらいの世代の人たちは、絶対に変えていかなければならない部分だと思います。 例えば、子どもが野球をせずに砂遊びをしていたら「おい! なにやってるんだ」って言いたくなるじゃないですか。「野球をしに来ているのに、野球をしないなら帰る?」と言うことを、親も容認してくれていたと思います。ただ、親交のある監督にアドバイスを求めたところ「子どもが野球よりも砂遊びを楽しいと感じているのは指導者に問題がある」と言うわけです。「砂遊びよりも野球の方が楽しそうと思わせるような野球をしなきゃいけない」と言われました。「興味を持たせるような楽しい野球を見せてやらないとダメなんだよ」と言われて、「うわ~」と思いましたね。
――レッドさんのように気づいて指導法を変える人もいる一方で、なかなか変えられない人も少なくないですよね。
レッド吉田: 僕は子どもが5人いて、一番上の子の代の親御さんと一番下の子の代の親御さんの年齢は全然違うので、考え方も異なります。僕はそこまで確固たる信念を持っているタイプではなかったので、親御さんたちと接する中で、自分の考え方が古いことに気がついたり、若い人の声を聞いて「もしかしたらあっちが合っているのかな」と考え直したりすることがありました。若い人たちの感覚を吸収することで考え方をアップデートできていたんじゃないかなと思います。 ただ、年齢を重ねるほど頑固になって、自分の経験値が絶対に正しいと思ってしまいがちですよね。確かに失敗した経験によって成功が導き出されることもわかるのですが、それぞれやり方があるので柔軟に受け止める必要があると思います。自分としての確固たる軸がある人にとっては、結構難しいことではあると思うんですけどね。
「期待ではなく応援しなきゃダメ」5人の子どもを育てるうちに変化した思い
――5人のお子さんを育てる中で、レッドさんの「子どもへの接し方」に変化はありましたか?
レッド吉田: 1人目のときは、自分の理想の父親像にならないといけないと思って子育てをしていました。周りに認められたいという気持ちが強くて、人からの評価ばかり気にしていましたね。いわば「他人から点数を取りたい子育て」です。だから、長男には「俺の理想の父親像を押し付けただけかもしれない。すまん! お前の子育て間違えたかもしれないわ」と謝っています(笑)。 それが3人目、4人目と子どもを育てていくうちに、「親と子」という関係で見るのではなく「人と人とのつながり」と考えるべきなんだなと気づき始めました。だから、今は周りの評価も気にしなくなりましたね。
――今、レッドさんは末っ子のお子さんと一緒に日々野球の練習に取り組んでいるそうですね。
レッド吉田: 末っ子の「プロになりたい」という夢を叶えたくて、毎日一緒に練習しています。ただ、今はプロ野球選手を目指しているけれど、他に好きなものが見つかったときは、シフトチェンジしても良いと思っています。 親ってやっぱり子どもに期待しているでしょ? 僕は甲子園に出ましたが、控え投手でした。でも子どもにはそれ以上の結果を求めようとしている。カエルの子はカエルなのに。これって親のエゴなんですよね。ある方に「期待じゃなくて応援をしなきゃダメだよ」と言われたことがありました。応援であれば子どもが失敗しても腹は立たないけれど、ダメだったときに子どもを詰めてしまうのって期待だからなんですよ。 その言葉に出会ってからは、期待通りの活躍ができなかったときも、結果が伴わなかったときも、否定するのではなくてどうしたら改善できるのかを一緒に考えて、寄り添って応援していくようになりました。親が勝手に期待をして思い通りの結果にならなかったときに、親が怒って子どもがすねていたら誰も幸せにならないし、楽しくない。そこは親が変わらないといけないと思っています。
子どもは自分の分身ではない。コントロールできるものではないと認識する
――子育てを通して、レッドさんご自身はどんなことを学んだと思いますか?
レッド吉田: まず、子どもは自分のものでもなければ、自分の分身でもない。ただ縁があって、うちの子として生まれてきただけということを認識しないといけないですね。自分の言うことを聞かないと怒りたくなりますが、そもそもコントロールできるものではありません。子どもを子どもとして扱うのではなく、ひとりの人間として対等に接するようにしています。 そして子育てを通して人としてだいぶ成長できたと思っています。それまでは心が未熟で人としてロクでもなかったと思いますが、子どもによって育てられた気がします。子どもへの感謝しかないですね。